睡眠時無呼吸症候群といびき
ここ数年、睡眠時無呼吸症候群が色々のメディア、つまり、テレビ、雑誌、新聞に多くとりあげられてきました。
睡眠時無呼吸症候群(sleep abnea syndrome=SAS)は、わが国では10秒以上の無呼吸が継続的に一時間で10回以上おこることをいいます。
SASは日中傾眠(眠気)を伴い100%いびきを伴います。
SASは、中枢型無呼吸(central SAS)と閉塞型睡眠時無呼吸(obstructive SAS)とその混合型がありますが、90%以上が閉塞型です。
閉塞型無呼吸(OSAS)は主に、肥満による上気道による上気道へ脂肪沈着、アデノイド、扁桃肥大、鼻中隔弯曲症、副鼻腔炎、鼻ポリープ、睡眠時の仰臥位による舌根の沈下が原因で上気道が閉鎖して無呼吸に陥ることが多いのです。
いびきは気道が完全に閉塞しないものの狭窄した場合に生じ、閉塞すると無呼吸となります。
閉塞型の睡眠時無呼吸では100%いびきを伴います。
OSASの社会的問題
我が国では、SASに約200万人が罹患していると考えられ、その大部分(9割)はOSASです。
OSASの人はまたほとんど習慣性いびきをかきますから、家族へ迷惑をかけています。
又、旅行中には宿泊時に同行者にも大変な迷惑をかけることになります。
夜間の睡眠が十分でないため日中傾眠をひきおこし、運転による交通事故が発生をする結果がはっきり出ています。
また、勤務中の居眠りによる仕事の効率低下や、働き盛りの心血管系疾患の合併や死亡率の増大などを代表とする身体的障害の問題も出てきます。
いびきやOSASはどうしておこるのか?
いびきや睡眠時無呼吸は上気道の狭窄や閉鎖によっておこります

いびきは気道が完全に閉鎖しないが狭窄した場合に生じ、狭窄がさらに進んで閉塞となると無呼吸となります。
閉塞型睡眠時無呼吸症候群は100%いびきを伴います。
気道の狭窄、閉塞は鼻閉塞やアデノイド、口蓋扁桃の肥大、軟口蓋の形態的異常、睡眠中に気道を取り巻く筋肉の弛緩によっておこり、いびきや睡眠時無呼吸がひきおこされます。
閉塞型睡眠時無呼吸症候群(OSAS)はどのようにして診断するのか?
確定診断は、終夜睡眠ポリグラフィ(PSG)によりますが、睡眠時間あたり無呼吸数が、わが国では10回以上をSASとしています。
そのSASのほとんどであるOSASの主な症状は、100%近くがいびきをかきます。
他に、日中傾眠、睡眠中の多動、夜間の多尿が多く見られます。
更に、主な症状は肥満、多血症、高血圧、不整脈が多く見られます。
OSASの治療法
OSASの治療は保存的治療と外科的治療に分かれます。
肥満患者には減量治療を行い、更に、経鼻式持続腸圧呼吸(NCPAP)を第一選択に行います。
それがうまくいかない場合に歯科的治療、更に、外科的治療を行います。
NCPAPは、経鼻的に上気道に一定圧の空気を送り込んで上気道を常に腸圧を保つことにより、睡眠中の上気道閉塞を防いでいます。
問題点は、対症療法のため使用を中止すると元の状態に戻ってしまうことと、装着に不快感を伴い、毎晩の装着が煩雑なことがあります。
外科的治療は睡眠時の上気道の狭窄、閉塞を起こさないような形態を変えることであります。
OPPP、LAUPが主ですが、術後数ヶ月すると症状が元に戻ってしまう例が多いようです。
OSASの歯科的治療
習慣性いびき症(HS)や閉塞型睡眠時無呼吸症候群(OSAS)の患者は下顎を前突させて中〜下咽頭腔の開大をはかり、歯科的に口腔内装置による治療の有効性が認められています。
わが国でも、何種類かのオーラルアプライアンスがありますが、スリープスプリント(SS)はすぐれた装置として認められています。
睡眠時無呼吸症候群、いびき症についてもっと詳しくお知りになりたい方は、
『いびきと睡眠時無呼吸症候群の歯科的治療』:砂書房
『いびきはコワイ!』:砂書房
を参考になさるか、
「歯医者さんで治す!いびき・無呼吸ネット」へリンクしてみてください。
- ●いびき治療Q&A
- Q.スリープスプリントってどんな治療ですか?
- A.寝るときに、下の顎を少し前方に突き出させるように工夫したマウスピースを口に入れてお休みになる方法です。この装置を入れることで、のどの気道(空気の通り道)がひろがって、いびきや無呼吸がなくなるのです。
- Q.スリープスプリント治療の長所は?
- A.お口の中に入るほどの大きさですから、出張や旅行に携帯することができます。また、丈夫なプラスチック加工ですから、何年もご使用になれます。
